中小企業診断士の受験生なら誰もが試験の出題傾向を知りたいと考えますよね。
- どんな内容が出題されるの?
- 出題内容を自分だけが知りたい!
こういった思いは受験生共通の心情ではないでしょうか。
特に中小診断士試験は学習範囲が広く、効率的な学習が試験攻略のカギとなります。
効率的な学習を進めるためにも、試験の出題傾向を把握することが重要になってくるわけです。
この記事では、中小企業診断士試験委員の「頭の中を覗く」ことで、試験委員の考え方・主義・主張を知り、今年度の出題傾向の把握に役立てることを目的としています。
今回ご紹介する試験委員の著書にある内容は、試験で問われる内容と大いに関連がありますし、テキストや過去問をベースに積み重ねてきた知識を再確認しながら読み進められる内容の書籍ばかりだと思います。
ぜひ、知識のブラッシュアップにお役立ていただければと思います。
中小企業診断士の試験問題って誰が作るの?
そもそも、診断士試験の問題ってどんな人達が作っているのでしょうか?
実は毎年、中小企業診断士試験委員名簿というものが中小企業診断協会のホームページ上で公開されており、そこから試験委員の氏名を知ることができます。
その名簿をもとに委員の方々の職業を調べてみると、そのほとんどが大学教授であり、その他のメンバーとして弁護士、弁理士、社会保険労務士といった士業から選出されていることがわかります。
また、試験委員には「基本委員」と「出題委員」の2種類が設けられ、基本委員11名、出題委員34名から構成されています。
ここからは筆者の憶測なのですが、基本委員は診断士試験の全体的な検討を行い、出題委員が具体的な作問を行っているのではないでしょうか。
専門的知識を持った弁護士等士業の実務家全員が出題委員となっていることからも、そう考えるのが自然だと思います。
試験委員の著書をおすすめする理由【著者の頭の中を覗け!】
診断士試験委員の氏名と職業を知ることができたら、その人たちの著書を試験勉強の息抜きを兼ねて読んでみることをおすすめします。
息抜きになってないんじゃないかという声も聞こえてきそうですが、テキストってものすごく堅苦しい文体で書かれた書物なので、こちらでご紹介する書籍については、十分な息抜き効果を実感してもらえるかと思います。
著書の中から今年度の試験で出題される内容を見つけるのは困難ですが、著書の中には試験委員の考え方や感性が表れているものです。
その考え方や感性を自身の感覚として備えておけば、合否を分ける最後の1点を手繰り寄せることができるかもしれません。
では次項から、要チェックな診断士試験委員5名とおすすめ書籍15冊をご紹介したいと思います。
1.岩崎 邦彦 氏(出題委員)
静岡県立大学附属地域経営研究センターセンター長、経営情報学部教授・大学院経営情報イノベーション研究科教授。
岩崎先生は診断士業界で有名な先生ですね。中小企業診断士の有資格者でもあります。
マーケティングが専門ですので、1次試験の企業経営理論、2次試験の事例Ⅱ(マーケティング・流通)に関連します。
また、ご紹介する著書は具体的な事例紹介が多く、非常に読みやすいものとなっていますので、試験勉強の息抜きにもおすすめですよ。
2.小川 正博 氏(基本委員)
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科兼任講師、大阪商業大学大学院地域政策学研究科経営革新専攻教授。
小川先生も中小企業診断士有資格者であり、業界では有名な先生です。
中小企業経営論が専門でありますので、1次試験の企業経営理論に関連します。
また、ここでご紹介する「北海道の企業 ビジネスをケースで学ぶ」シリーズで取り上げられた企業事例が2次試験の事例Ⅲ(生産・技術)のモデルになったこともあるとか...。
診断士試験基本委員の先生でもいらっしゃいます。何といいますか、重鎮感が漂っていますよね(汗)
北海道の企業シリーズ、私も今度、読んでみようと思います(笑)
3.岩崎 尚人 氏(出題委員)
成城大学経済学部経営学科教授。
経営組織論、経営戦略論が専門の岩崎先生です。1次試験の企業経営理論、2次試験の事例Ⅰ(組織・人事)に関連があります。
以下にご紹介する「経営をしっかり理解する」は診断士受験生の間でも有名な書籍ではないでしょうか。
入門的な内容ですが、受験用テキストで詰め込んだ知識のブラッシュアップに役立つことと思います。
4.木内 正光 氏(出題委員)
玉川大学経営学部国際経営学科准教授。
木内先生の専門は、経営工学、生産管理、品質管理です。
1次試験の運営管理、2次試験の事例Ⅲ(生産・技術)に関連します。
特に、2次試験事例Ⅲの出題委員として有名な先生かと思います。
運営管理や事例Ⅲの学習効率を上げるためには、生産現場等のイメージを描けることが重要だと考えています。
生産管理、品質管理の分野に苦手意識をお持ちの方は、以下の書籍を通じて現場のイメージを掴んでみてはいかがでしょうか。
5.平木 いくみ 氏(出題委員)
東京国際大学商学部教授。
令和2年度から新任された、商学、マーケティング、消費者行動が専門の平木先生です。
1次試験の企業経営理論、2次試験の事例Ⅱ(マーケティング・流通)に関連しますね。
新任の出題委員ということで、試験の傾向を変えるキーパーソンになるかもしれないという理由で選出いたしました。
消費者行動に関する書籍が多い印象を受けますね。消費者行動の単元は要チェックかもしれませんよ!
まとめ
今回の記事では、筆者が気になる診断士試験委員とその著書をご紹介いたしました。
試験勉強に真剣に取り組み、一定のレベルに到達している方であれば、ご紹介した書籍を通じた知識整理が行えるかと思います。
特に、2次記述式試験のリベンジ組は大きな効果が期待できるかもしれません。
知識の整理と試験勉強の息抜きを兼ねて、試験委員の著書をぜひ読んでみてください!