唯一の経営コンサルティングの国家資格でビジネスマンが取得したい資格1位に選ばれるなど、近年注目度を高めている中小企業診断士。
これから中小企業診断士を目指す方にとっては、「自分は診断士として活躍できるのだろうか?」と不安を抱いている方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、どんな方が中小企業診断士に向いているのかを解説してみました。
全部で6つのタイプを挙げてみましたので、気になる方はぜひご覧ください!
タイプその1:新しいことに挑戦することが好きな人
中小企業診断士の仕事は、そのひとつひとつ全てが異なる案件です。
クライアント企業の置かれている業界動向、企業の内部状況などは毎回違うため、似たような内容の話があったとしても全く同じ仕事というのは基本的に存在しないのです。
常に新しい仕事を始める、新しい会社に勤める意識は皆さんが持っているといっても過言ではないと思いますので、ガンガン新しいチャレンジをする事が好きな人に中小企業診断士は向いているでしょう。
私の経験をお話させていただくと、中小企業診断士としてのコンサルティングに携わらせていただいた最初の2社がとてもコントラストがあったのでよく覚えてるのですが、ひとつは老舗の製本業社、もうひとつは占いアロマ製品の企画販売会社です。
占いアロマ製品は読んで字の如くの業界です。一方、製本業というのは、ざっくりいうと出版会社などからあがってきた本の見本をもとに、紙に印字をして本を生産していくお仕事です。
企業体質は全く別であることはイメージできますよね?
ひと口にコンサルティングといっても、業界動向、企業特性などは全然違うわけです。
中小企業診断士の仕事は常に新しいことばかりです。
製本業社を担当すれば製本業界の勉強をしますし、アロマ関係の会社を担当すれば実際にアロマ系のサービスを受けに行ったりします。
今まで知らなかった世界にどんどん飛び込んでいくのが好きな人、人脈を広げるのが好きな人、異業種交流会が好きな人、新しい土地に旅行に行くのが好きな人などは、皆さんこれに該当するのではないでしょうか。
タイプその2:飽きっぽい人
中小企業診断士は仕事もさることながら、資格試験でも多岐に渡る領域の勉強をします。
言い方は荒いかもしれませんが、一つのことをとにかく突き詰めてい専門家というよりは、どんなことでもある程度知っている(深いことまではわからない)便利屋に近いイメージです。
とにかく専門性を追求していきたい人にとっては、もしかしたら不向きなのかもしれません。
一方で、同じことをやり続けるのが実は好きじゃない人、飽きてしまう人であれば、かなり向いている可能性があります。
私自身、実は中小企業診断士試験を受験するまで能動的に何かを勉強したことはなく、典型的なスポーツ少年で机の前にいることが嫌い、すぐに飽きてしまう人間でした。
ところがあるきっかけがあって突然勉強を始めようと思いこの資格を受けることにしたのですが、受験勉強がとにかく楽しかったんです。
元々飽きっぽい性格なので一つのことをとことん追求するよりも、幅広い分野の学習をたくさんできるのが良かったんだと思います。毎日新しいジャンルの知識を覚えてるのがとても刺激的でした。
合格後もそれは同じで、独立や企業内診断士などあらゆるフィールドが中小企業診断士には用意されていますし、中小企業診断士資格保有者だけが参加できる勉強会にいけば、実に様々なことを研究している集団も沢山あります。
特定の定職がない分、飽きたら次は何か別のことを始める、という形でも良いでしょう。
いうならば中小企業診断士というのは、温泉もテーマパークも牧場もどこでもいけるフリーパスみたいなものです。
同じところに毎回行きたくない、飽きっぽい、などという人にはとても合っているかもしれません。
タイプその3:聞くことが好きな人
経営コンサルティング業務の第一歩は相手の悩みを聞き出すことです。
当然ですが、そのためには「聞く」ことができなければならないわけですが、これは実は誰でもできるというわけではありません。
自分の悩みを知り合い全員に打ち明けないのと同じで、企業の課題というのはそう簡単に引き出せるわけではありません。
しかし中小企業診断士の場合、クライアントの悩みを聞き出せなければ仕事はないも同然です。
だから人の話を聞くことができる人でなければ務まらないといっても良いと考えています。
私は6年間ほど法人営業マンとして都市銀行に勤務しておりましたが、立場的に優位と思われがちな融資銀行の担当者も、社長や企業オーナーから課題を聞くことには難儀します。(実際には立場が優位だと考えている銀行員はいませんのでご理解頂けると幸いです)
人の話を引き出すにはどうすれば良いのか、まずは手元にある資料から何かを想定してお話ができないか、喫緊の業界動向はどのようになっているか、あれこれ考えながら対話をして、話を引き出す必要があります。
ただ重複してしまいますが、いくら戦略的に対話をしてみても、そんなにすぐには出来るようにはならないのが一般的だと思いますので、中小企業診断士になる前からこのスキルが絶対必要ということではなく、まずは人の話を聞くことが好きであるということが大事かなということをお伝えさせて頂きます。
タイプその4:失敗を恐れない人
中小企業診断士は将来のことを予測しクライアントに助言を行う立場にいます。
ただ正直に言って、将来のことが正確にわかる人はこの世に一人としていません(笑)
分析に分析を重ねて提言はするものの、最後の拠り所は勘や経験則ということもよくあります。
当然、その予測が100%当たるわけもなく、失敗することだってあります。
でもだからといって、失敗を恐れ無難なことしか言わない中小企業診断士であれば、それはあまり存在価値がないのかもしれません。
きっとクライアントは、中小企業診断士に対して誰でも簡単に思いつくような意見などは求めていないからです。
誰にも分からない将来を可能な限り予測して、失敗を恐れずに助言ができる人こそが、診断士に適した人材だと考えます。
タイプその5:数字に強い人
経営コンサルティング業務というと、新しいアイディアや閃きといった、クリエイティブ系の仕事をイメージする方は多いのではないでしょうか?
それも無きにしもあらずですが、実はそれよりも現状分析とか企業分析の仕事の方が圧倒的に多いように個人的に感じます。
というのも、全ての事象は基本的には定量化が可能なわけで、その定量化した分析をもとに、現状の課題を抽出したり、新しい事業を始めようといった判断に繋がるわけですから、大前提として数字を見る力が求められます。
特に主なクライアントである中小企業は、大企業と比較すると創業社長の人脈・カリスマ性によって成長してきた会社というのが多数存在します。
だから社長本人ですら、自分の会社がどういう財務体質なのかということを詳細までは理解していないこともあります。
昔はそれでよかったのかもしれませんが、今は違います。
日本経済自体が停滞している世の中、何度も何度も派手に失敗し続けることはできません。
更にインターネットの発達とそれに伴うグローバル化によって、環境変化のスピードは上がり続けており、こういった環境変化に対応できない企業は淘汰されていく時代にあります。
外部環境の変化にしっかりと対応していくためには、企業や社長が自らのことを「知る」ことが大切であり、それを教えるのも中小企業診断士の役割です。
そしてそのためには数字を分析できる人でなければ務まらないのです。
タイプその6:他の士業資格を保有してる人
中小企業診断士は他の士業資格を保有している人と特に相性が良い仕事だと思いますし、受験生にもそういう方は一定数います。
いくつか例を挙げてみましょう。
その他にも公認会計士や宅建、行政書士といった資格と融合させて仕事に活かしている方もおられ、私の知り合いでは管理栄養士との融合をしている方もいます。
他の士業資格を持っている方にとっては非常に相性が良いと思いますし、そもそも資格試験の中にも何かしら既に習得済みの分野が入っていることが多いので、合格へのアドバンテージもあるという部分も合わせてお伝えさせていただきます。
なお、当サイトの別記事で診断士と相性の良い資格についても解説しておりますので、気になる方はこちらもぜひご覧ください!
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まとめ
この記事では、中小企業診断士にはどんな人が向いているか、についてお話させていただきました。
最後にもう一度、6つのタイプを見ておきましょう。
- 新しいことに挑戦することが好きな人
- 飽きっぽい人
- 聞くことが好きな人
- 失敗を恐れない人
- 数字に強い人
- 他の士業資格を保有してる人
上で挙げたものはほんの一例にすぎませんが、私の周りにはこういったタイプの方が多いかなと思います。
もちろんこれは私の主観であり、これらにひとつも当てはまらなくても中小企業診断士として大成する方もいらっしゃると思いますので、当てはまらないからといって資格取得を諦めないで下さいね(笑)
最後までお読みいただきありがとうございました!