受験者数が年々増加している中小企業診断士。ビジネスパーソンが取得したい資格ナンバーワンともいわれ、社会的な認知度もますます高まっているように感じます。
この記事タイトルに興味を持った方は、筆者と同じ新米中小企業診断士、または中小企業診断士の資格チャレンジャーといったところでしょうか?
せっかく取得した(または、取得しようとしている)資格であれば、そこから何らかの恩恵を受けたいと誰もが考えるはずです。
当然のごとく筆者自身もそのように考えて日々を過ごしていました。
そんな新米中小企業診断士である筆者の初仕事を赤裸々に公開しようと思いますので、興味のある方はぜひ最後までお付き合いください!
中小企業診断士1年生が業務を受注した経緯
まずは自己紹介から
筆者は令和最初の中小企業診断士試験に合格した、しがないサラリーマンです。
某地方都市の物流系中堅企業の経営企画部門に勤務中で、経営全般に関するリテラシーを高めたいという理由で中小企業診断士の受験を決意しました。
1回目の受験で一部科目合格、2回目の受験で一次試験の合格を勝ち取るも二次試験で見事に玉砕(笑)
背水の陣で挑んだ3回目の受験で最終合格を果たすことができました。
その後、コロナ禍にもめげずに実務補習をなんとか修了し、令和3年3月に中小企業診断士として登録、ただいま1年目の診断士ライフを過ごしています。
中小企業診断士登録のビフォー・アフター
中小企業診断士に登録してからもサラリーマン生活を続けているわけですが、登録前後で決定的に違うことがあります。
それは、知り合う人が増えたということ。
増えるだけではなく、知り合う人の属性も大きく変わっています。
振り返って考えてみると、自分はごく限られた人達でつくられたサークルの内側で生活していたのだなぁ、とつくづく感じます。
サラリーマンとして働き初めて早○○年、新たに知り合い、その後も継続して頻繁に顔を合わせるという関係性は勤務している会社内とその関係先でしか起こっていないということに気付かされます。
サラリーマン諸氏であれば、共感して頂ける部分もあるのではないでしょうか?
それが診断士を取得した後では、中小企業診断協会で実施する研修会等を通じて、他の中小企業診断士と知り合う機会が増えることになります。
とても優秀な学歴・経歴を持った方もいれば、ユニークな経歴を持った方、バツ○な方(笑)、と非常にバラエティーに富んだ出会いがあります。
ご縁からの業務受注
新たな出会いが生まれる生活に新鮮さを感じ、診断士の集いには欠かさずに参加していました。
そこで出会った診断士(特に独立されている診断士)の方々には、自分にはコンサル経験が無いこと、とはいえ経験を積みながらゆくゆくは独立開業を目指していきたいということを、聞かれてもいないのに一方的に(かつ、おしとやかに笑)発信していました。
そんな日々を過ごしていたある日、独立して活動されている診断士先生から一通のメールが届いたのです。内容としては、
- とある経営診断業務を2人で行う予定であったが、パートナーが体調不良で急遽辞退した
- 経験を積みたいと言っていた筆者のことを思い出した
- 内容はざっくり短期間での診断書作成業務
- 経験を積む良い機会にはなる
- 明日までにやるかやらないかを決めてほしい
簡単にいうとこんな感じの内容が書かれてました。
まったく想定していませんでしたし、経営診断業務の詳細内容については記載されていませんでした。
しかし、「やる」か「やらないか」の決断を迫られたら「やる」と即断しようと決めていましたので、すぐに「やらせてください!」と返信をしました。
こんな感じで、いきなり中小企業診断士としてのお仕事が舞い込んできたのです。どのような業務内容かもわからずに...(笑)
依頼主は公的機関!経営診断報告書を作成せよ!
依頼主は公的機関!経営診断業務の内容とは?
やることもよくわからずに転がり込んできた初仕事ですが、その内容をざっくりいうと業績不振企業の経営診断書を作成するというものでした。
ごく簡単に説明すると、とある経営不振企業が公的機関から借金をしているわけですが、返済計画が滞るリスクが高いと判定されています。
返済スケジュールを緩やかに変更することで事業を継続しながら借金の返済が行えるかを、専門家である中小企業診断士が経営診断する、という感じの流れで進みます。
依頼主は公的制度による融資を行う某公的機関です。
企業訪問を通じて感じる中小企業診断士の重要性
個人情報満載の必要資料を受け取ったら、スケジュール調整して企業先に訪問です。
診断士登録に先立って実務補習を行っていますので初めての経験というわけではありません。
でも、研修ではなく仕事なんだと考えると、診断先企業への思い入れが強くなるような気がしました。
実務補習の際にも薄々感じていたことですが、改めて強く感じたことを一つお伝えしておきたいと思います。
それは、経営に関する理論を知らない経営者が意外に多いということです。
経営理論というのは紙面で触れると至極当然のことのように感じ、こんなのだれでも知っている、やっている、と思いがちですが、リアルな現場でその経営理論が当然に活用されているかといえば、そんなことはありません。
経営理論を踏まえた「こうすればもっと良くなる!」という改善提案の余地は、世の中に相当数転がっているように思います。
言いかえると、中小企業診断士が活躍すべきステージは世の中にたくさん転がっているということです。
地味な報告書作成作業が楽しく感じられる人は中小企業診断士に向いている人である!
企業のヒアリングが終わってからは、経営診断報告書の作成作業に入ります。
先輩診断士との共同作業になるわけですから、報告書全体の方向性についてベクトルを揃えます。
その後は文章の作成ルール(文末表現等)や担当パートを取り決め、報告書作成作業に没頭します。
各種調査を含め、報告書の作成作業を面倒くさがる診断士もいるそうですが、自分はこの作業が結構好きなんですよね。なんというか、頭脳労働の極みっていう感じがするので。
世の中にあふれた各種調査データを活用して、問題点を論理的に説明していく作業というのはとても面白いと感じます。
先輩診断士いわく、報告書作成作業を楽しいと感じられる人は診断士に向いているとのことです。
そんな先輩診断士にご教示頂きつつ、経営診断報告書は完成を迎え無事納品となりました。
気になる初仕事の報酬は?【思ったより高かった!】
さて、皆さんがもっとも気になる報酬の件ですが、高いか安いかでいえば、高い部類に入ると思います。
もっとも筆者の場合は経営診断経験が浅いために、適切な調査情報の選別や診断報告書の構成作業に時間がかかっていますが、それでも稼働時間あたりの単価が低いとは思わないレベルです。
この種の案件をコンスタントに受注できる環境が整ったら、迷わず独立診断士の道を選択すると思いますので、診断士を目指す方は余計な心配(食えるか不安、独占業務がない…、等)をせずに、まっすぐに目指したら良いと思います(笑)
詳細をお伝えしたくても守秘義務の関係があり、なかなか難しく...。
10万円オーバーを折半したということでお察しください(笑)
まとめ
この記事では、新米診断士の初めての業務受注について公開可能な範囲でご紹介致しました。
守秘義務が生じているため、特定され得る情報はアップできない点にはご容赦を。
ただし、今回の仕事についての受注経緯や業務内容等の大まかなイメージは掴んで頂けるのではないでしょうか。
中小企業診断士ってどんなことをしているの?具体的な仕事ってあるの?と診断士以外の方から聞かれることがあります。
筆者自身もよくわかっていない中で試験に挑戦していましたが、経験してみて言えることは、仕事はあるし、なかなかに高単価!ということです。
現状は副業というスタンスですが、自分の中で中小企業診断士の可能性を広げていき、独立開業を叶えたい!というのが現在のリアルな目標となっています。
なお、当サイトでは中小企業診断士の副業についてまとめた記事もご用意しておりますので、興味がある方はぜひこちらもご覧ください!
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